徒然素心ひとりごと

[徒然]…時間があるときに、[素心]…そのとき感じたことを、[ひとりごと]…感じたままにつぶやく、エッセイときどきコラム風

〇〇ハラスメント、言ったもん勝ち…みたいな解釈は間違っているんじゃないか⁉

以前のこと、エレベータに乗り合わせた同僚の女性に、おもわず「今日は一段と美しい(本当にそう思ったので)」と声をかけたら、一緒にいた同僚の男性に「あっ、セクハラ!」と言われた。理由を聞いたら、「ほかに乗り合わせた女性が〝嫌な思い〟するかもしれないから」だと⁉

「なんでオメーが代弁してる? それともオメーが今〝嫌な思い〟でもしたのか?」、「そもそも、その解釈は正しいのか?」

 

セクハラ、パワハラモラハラ、マタハラなど、さまざまなハラスメントが問題となるたびに、「自分の意図ではなく、相手が不快に感じたらハラスメント…」みたいな報道がなされるし、昔受けた、社員教育でも講師は同じようなニュアンスの説明だった。

 

実際、厚生労働省「明るい職場応援団」のHPでも、

ハラスメントの定義|ハラスメント基本情報|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる

  1. 優越的な関係を背景とした言動であって、
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  3. 労働者の就業環境が害されるものであり、

①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。

…と定義されていた。では誰が①②③を判断するかと言えば、「まさに部下や後輩がどう感じるか」ととれる。

「客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません」という補足説明はあるものの、では〝客観的〟に判断できるのは誰なのか?…〝一般的には〟の間違いではないか? 一般論だとすると、現実の事案にいて〝客観的〟に判断できる人などいない!

そんな中、今度はフキハラ(不機嫌ハラスメント)という妖怪が出現した。相手に対する反応に〝ため息〟もつけないらしい。

セクハラ、パワハラくらいまでは、〝弱い立場の目線〟という概念も必要なのだと、納得もできた。

しかし、モラハラ、フキハラに至っては、「〇〇ハラスメント」と言ったもん勝ちみたいな…、「〇〇ハラスメント」と言ってしまえば自分は悪くないみたいな。。。誤った考えが横行し、助長しているように思う。

こんなことを許していたら、世の中のコミュニケーションは成り立たない、ひいては社会活動が行えないことになる!

 

もともとハラスメント(harassment)は「いやがらせ」とか「いじめ」を指す言葉。つまり、主体は〝やる側〟にあって、〝やられる側〟ではない。〝やる側〟が〝意図的〟に〝度を越えて〟ハラスメントを行うことに厳しい目が注がれるのは当然。しかし〝やられる側〟が安易に、嫌なことがあったらすぐ「〇〇ハラスメント」と言う風潮は見直すべき。 メディアもハラスメント評論家も、そこのところを正確に報道し、活動してほしい

 

(おまけ①)

カスハラ(カスタマー・ハラスメント)は、「客が理不尽なクレームや言動を行う」ことだけど、これはハラスメントの問題という前にマナーというかモラルの問題そして理不尽なクレームを言う奴の人間性の問題、一緒くたにしないでほしい。

ついでに言えば、じゃぁ逆カスハラはどうしてくれる? 横柄な態度の店員、杓子定規でロボットのようなコールセンタのオペレータ、終始PCを見て事務的な医者など、カスハラを問題視するなら、逆カスハラにも目を向けてほしい!

 

(おまけ②)

随分前に、「社員Aが社員Bに対して執拗に嫌がらせしている」という相談を受けたことがあった。聞けば日に何度もメールで社員Bの容姿や仕事ぶりなどについて攻撃してくるのだとか(暇な奴もいたもんだ)。社員Aはプライベートアドレスから送信してくるので確証はないが、普段の態度などから間違いないとの事。人事面談やらなんやかんや社内で行った対処はおいといて、念のため厚生労働省の相談窓口に照会したところ、

  • パワハラにはならないか?…優越的な関係を背景とした言動により就業環境が害される場合に適用 ⇒ 今回は職務上の上下関係はない
  • セクハラにはならないか?…不快にさせる性的な言動があった場合に適用 ⇒ 容姿の攻撃は性的な不愉快にはあたらない
  • 名誉棄損には?…不特定多数に公開された場合に適用 ⇒ 1対1では該当しない
  • ストーカーは?…行き過ぎた恋愛感情の末、身体の安全、行動の自由が著しく害される場合に適用 ⇒ 恋愛感情はないし、身の危険を感じるほどではない

とのことで取り合ってもらえなかった。この厚労省の対応は〝逆カスハラ〟にはあたらないのか?

(ま)