いっつも〝忙しい〟って言ってる人っていませんか。開口一番「忙しい…」やら「大変だぁ…」やら連発する人。
そんなに自分でPRしなくても、見てたらわかるわな…、オモテもウラも。
でも触れた「重要度×緊急度マトリクス」
冒頭の人は、常に[A]とか[B]に追いかけられて、振り回されているんでしょうか? 本当にそうなら、それはそれで凄まじい職場ですね。あるいは[D]なのに見栄を張っているとか? まぁ、たいていは[D]だからこその自己PRだと思いますがね。
また[C]を行う暇がないということは、[A]や[B]が途切れた瞬間、路頭に迷うことになりかねませんかね。
少し話は変わりますが、セキュリティ・インシデント(事件)やセキュリティ・アクシデント(事故)では、事前対策(事件や事故そのものが起きなくなるようにする予防策)と事後対策(被害や影響を最小限に抑えるための対処)を考えた場合、事後対策の方が、顕在化したことがきっかけとなり(あるいは対処せざるを得なく)、金や人をかけやすくなりますよね。
しかし一般的には、
事前対策にかかる費用 < 事後対策にかかる費用
つまり、[C]の費用 < [A]の費用 であって、
事前対策の方が少ない費用と資源で、はるかに大きな効果を得ることができる…誰でも頭では理解している。しかし多くの場合、現実は、「今、やらないといけないのか?」 となり、具体化していけばいくほど…腰が引けてくるもの。
「重要度×緊急度マトリクス」でも同じことが言えると思うのです。
- 事件や事故が起こったら(事後対策)=[A][B]が優先 …トーゼン!
- 事件事故が起こらないように(事前対策)=[C]が優先 …これも当然!
事前対策=[C]の正解なんて誰も持ってはいない。だからどこかで「決断」するしかない! そして動かないといけないのだ。
秋にあちこちで落ち葉の山が築かれていました。 消防士A: 火事に備えて常時出動体制をとり、 火事が起こると真っ先に飛んで行って消火活動をした。 街の人は「なんて仕事を良くする消防士なんだろう」と。 消防士B: 落ち葉を集めて、別の場所で処分し、 火事が起きないようにしていた。 街の人「ヒマなんですね」と。 |
坂井優基著「機長の判断力」からの引用です。
さて、あなたはどちらが優秀な消防士だと思いますか? どちらが大事だと思いますか?
そして冒頭の〝忙しい人〟さん、せめて「忙しい/大変だ」って言うのを控えてみたらどうですか?
(ま)