御朱印をいただいて帰ったら、その御朱印をお手本に墨と戯れております。
神職さんが目の前でサラサラと書き上げる御朱印は、まさに芸術。味のある御朱印の書体を眺めながら、墨の香りに癒されていましたが、自分でも書いてみたくなって…。
とはいっても書は小学生の頃に習ったきりで、お恥ずかしながら我流の域は出ませんが、時間をかけて墨をすって、いい香りがしてきたら呼吸を整えて、イザ半紙に向かいます。自然と背筋が伸びて集中できる時間です。お香をたいてみました。と、なおさら落ち着いた気持ちに包まれます。
最初の打ち込みは緊張します。何枚か書いているうちに、なんとなくそれっぽくはなるものの…、枚数を重ねたからといって、決して上手く書けるわけでもなく、ある文字がうまく書けたと思っても別の文字がダメだったり、ようやく全部がうまく書けたと思って俯瞰してみると線が細く力強さや勢いに欠けたり、満足のいくものはなかなか…。
のぎへんやしめすへんが、楷書の書き順と違うことに戸惑い、それがそのまま文字に現れ、全体のバランスもだめですねぇ。うーん、何枚書いてもなかなか納得がいく出来にはなりません。
次は少しくずし文字が入った御朱印…、金刀比羅宮と六甲比命大善神社を。
どちらも味があるお手本(御朱印)ですが…、書いてみると私のは全体に細っそいなぁ…。
めげずに大胆にも難しい御朱印にも挑戦。奈良(左)と鎌倉(右)の長谷寺!
何枚か書いていくうちに、一文字を途中で墨継ぎをしないで一気に書いてみると、少しは勢いが出ましたかね…?
観音様を祀る本堂を、奈良・長谷寺では「大悲閣」といい、鎌倉・長谷寺では「大悲殿」というのですね。書いてみるまで知りませんでした。
ところで奈良の長谷寺で聞いた話によると、昔、大和国(奈良県)の山中で見つけた巨大な楠から二体の観音像が造られた。一体は大和長谷寺の観音像となり、残る一体は、衆生済度の願いを込めて海に流されたそう。その後、三浦半島付近に流れ着いた観音像を本尊として建立されたのが鎌倉の長谷寺とのこと。どちらの観音様も時を忘れて見とれて(観とれて、魅とれて)しまうほど神々しく、優しくきれいなお顔をされています。
おじ散歩(旅)、ワクワクしながら予定をたてて、実際に訪れて楽しみ、帰ってからも墨と戯れ…3度楽しむ。
中には真似すらできない超芸術的な御朱印もありますが、それでもさまざまな書体の御朱印をお手本に墨と戯れる…我ながら悪くないアイデアでしょ?
(おまけ)
調子に乗ってこんなものまで。何十枚書いたでしょうか?流れるような平安文字はかなり難しいです。
(ま)