徒然素心ひとりごと

[徒然]…時間があるときに、[素心]…そのとき感じたことを、[ひとりごと]…感じたままにつぶやく、エッセイときどきコラム風

経営のお手本…ビジョナリー・カンパニー

今あらためての「ビジョナリー・カンパニー」。 ZEROとは、これまでのおさらいでもありつつ、原点に立ち戻れ…ということだろうか。

 

というわけで、あらためて全巻おさらいしてみた。これらによれば、偉大な企業とは、

  1. 業績:偉大な企業は自立して事業を営み、設定したすべての目標を着実に実現してきた実績がある。浮き沈みを経緯し、時に厳しい局面に立たされることがあっても、再び優れた業績を上げるようになる。
  2. 影響:偉大な企業は主導的立場で市場を形作っていく。規模だけでなく、イノベーションによって業界に影響を及ぼすこともできる。
  3. 評価:偉大な企業は社外の人々から賞賛と尊敬を受け、ロールモデルになることが多い。
  4. 持続性:偉大な企業には持続性があり、100年にもわたって健全であり続ける。また自己再生能力があり、経営陣が世代交代をしても偉大さが持続する。

ということ。

で、日本の100年企業についてググってみると、

「世界の長寿企業ランキング、創業100年、200年の企業数で日本が1位」の記事が。

https://consult.nikkeibp.co.jp/shunenjigyo-labo/survey_data/I1-03/

2020年時点で100年企業=33,076社、200年企業=1,340社、こんなに多くの企業が日本に…。

そしてこれら企業は、「ビジョナリー・カンパニー②飛躍の法則」にかかれていた法則を実直に実践してきたんでしょうね。

実は私の古巣は、創業120年を超える某製造業です。在籍中は〝企業は人なり〟を実践する古き良き、でも…地道な製造業という印象でした。100年継続していることに敬意ははらうものの、当社がビジョナリー・カンパニーという実感はありませんでしたね。

  • 第五水準のリーダシップ…謙虚だが意思が強く、控えめだが大胆…言われれば、そんな人が多かったかもしれない。謙虚で控え目かどうかは置いておいて、頑固な人は多かった。私も…例外ではない
  • 適切な人をバスに乗せる…最初に乗った人に聞かないと、これはわからないなぁ。わからないけど、ずいぶん経ってから乗せてもらった立場から言うと、選んでもらったと信じたい
  • 厳しい現実を直視オイルショックバブル崩壊リーマンショックなど危機に直面した時でさえ、慌てず、地道に築いてきた事業基盤の上を着実に歩いていたような気がする。だから不安になることはなかったね。もっとも普段から大胆にチャレンジしないもどかしさは感じましたが…
  • ハリネズミの概念…ことあるごとに3つの円の中心を見据え、一貫して方向性を決断していたのだろう。というか、一足飛びに大きくなったとしても、そのツケ(リバウンド)は必ずくる…なんとなくこんな暗黙の了解みたいな空気はあったかな。
  • 規律の文化…規律ある人材→規律ある思考→規律ある行動、わたしがバスに乗った頃には、規律ある行動が風土として定着していたように思うな。規律ある行動とは、決してがんじがらめのルールということではなく、自立した個人を尊重した自立した組織であるという意味です。
  • 促進剤としての技術…技術が当社のひとつのコア・コンピタンスであることは間違いない。コア・コンピタンスから生まれた独創的、革新的な製品もたくさんあったただ…、営業力が弱いのが残念なところ

あぁ、こうやってあらためて見返してみると、結構あてはまる。

つまり、こういうことだな!

メディアに頻繁に登場するわけでも、カリスマ経営者がいるわけでも、派手さもないけれど、着実に実績を積み重ね、地道に築いてきた事業基盤の上をゆっくり歩み、気が付くと周りから評価され、影響を与えている…そんな会社のことを指すのだろう。

  • 〝価値観の問題か、意志の問題か、あるいは能力の問題か〟
  • 「窓」「鏡」をどう使うか〟
  • 〝仕事を「業務」とみるか、「責任」とみるか
  • バスの問題なのか、座席の問題なのか〟

いずれも心に響くメッセージですね。

老舗企業として大切にしていることを、漢字一文字で表すと、

信、誠、継、心、真 だそうです。

すべてのスタートは「ビジョン」であり、苦しいときもビジョンを忘れず、これを拠り所に活動していくことの大切さをあらためて教えてくれる、まさに経営のお手本だと思います。

(ま)