PDCAは業務改善のための、あまりにも定番すぎるマネジメント手法だよね。でも、定番にもかかわらず使いこなせていないケースも多いのはなぜ?
[P→D→C→A]を繰り返せばいいだけなのに…⁉
「計画の際に優先順位を考えていない」とか、「PDCAを回すには時間がかかる」とか、「途中での軌道修正がやりにくい」などの指摘があるが…、イヤイヤ、問題はそこではない!
PDCAサイクルをよ~く眺めてみると(眺めなくても)…〝根本的におかしい〟ことに気が付く。それは…、
[P(計画)]から始まっていること!
そもそも、目的・目標がないのに、計画を立てることはできますか⁉
つまりPlanがPlanではないので、Doは散発的で、なにをCheckするかのかも曖昧になり、従ってCheckの結果をAct(改善)につなげることができなくなって、悲しいかなPD…PD…を繰り返してもがくだけに!
だから、PDCAを回すためには、まずゴール(G:Goal)を決め、ゴールを定めるためには今の状態を正確に知るための調査・分析(R:Reseach)による課題の可視化が不可欠!
つまり[RG→PDCA]が正しい姿なのだ!
ちなみにPDCAには、大きなPDCAと小さなPDCAがあって、例えば「中期経営計画」という3ヶ年の目標(Goal)を達成するための大きなPDCAの中には、「年度の事業計画」という1ヶ年の目標とPDCAがあり、さらにその中には個々の活動としての目標とPDCAがあるということ。大きなPDCAをつくって安心し、大きなPDCAだけに固執していると、間延びして途中で本筋を見失うことにも。PDCAサイクルの期間は設定する目標(G)によって時間軸を意識することが必要だね。
ところで日々の活動では迅速な判断が求められることも多い。そんなとき意思決定のためのフレームワークとしてOODA(ウーダ)というものがあるらしい。
OODAは「その瞬間、どう動くのが最善か」という意思決定を優先するものなので、PDCAが既存事業のマネジメントに有効だとすれば、OODAは新規事業でリーダシップが求められるケースで有効だと思う。
「PDCAはもう古い、これからはOODAだ」と言う人もいるが、それは違う! 使い分けることこそ正解!
またANAでは、お客様の声に徹底的にこだわった課題解決のサ イクルを「クローズド・ループ」と呼び、は顧客満足度を高める仕組みを運用している。
でもわかる通り、大きなPDCAの中で「クローズド・ループ」を活用しているあたり、さすがANA!
いろいろなツールは世の中にはあって、これらを組み合わせて利活用する柔軟性こそ、求められていることではないだろうか。
(ま)