徒然素心ひとりごと

[徒然]…時間があるときに、[素心]…そのとき感じたことを、[ひとりごと]…感じたままにつぶやく、エッセイときどきコラム風

社会は一つの価値連鎖でつながっている…経営者になったつもりで考えてみたら…

この仕事に携わっていると、つくづく社会は一つの大きな価値連鎖(バリューチェーン)でつながっていると実感する。絵にするとこんな感じ。

①企業活動は、顧客のニーズがあってこそ、いかにキャッチアップできるか・気づけるかがスタート

②顧客ニーズがさまざまな製品やサービスを生み出し、企業が持つ独自性の創出へとつながり、

③製品やサービスがサプライチェーンを介して顧客に選ばれ認められた時、社会全体の価値連鎖(バリューチェーン)は完成する

ただ、企業内の価値連鎖(②)がひとつでも滞ると、企業間の価値連鎖(③)に影響を与え、社会全体の価値連鎖は停滞することになる。

ビジネスの世界では、[1+1=2]ではなく[1+1=10]にできる可能性秘めている。逆にインシデント対応やクレーム処理を失敗すると[10-1=9]にはならない。[10-1=0]なのだ!

 

で、あらためて強い組織とは…?

 

企業は、価値を市場に提供するために存在しているはずで、自社のコアコンピタンスや、市場におけるポジションの中で存続していかなければならない。存続し続けるために「戦略」や「計画」が必要で、「計画」を達成するために設定するのが「目標」だが、数値目標(売上、GP、利益率、稼働率など)だけだと温かみが感じられないし、目標を達成したら自分は幸せになれるのかが全然わからない。

そこで大切なのが〝魅力的なビジョン〟。これこそ企業の「存在意義」そのものであり、「つらくても頑張ろう」と思える拠り所。

「ビジョナリーカンパニー② ハリネズミの概念」では、強い組織を以下の図のように示唆している。

つまり、単に魅力のある商品を持つことではなく、魅力ある商品を提供し続けようとするパッションと努力ができる企業強いのだ。窮地に立たされてもライバルと戦うことで鍛えられ自分自身が強くなることが重要なのだ。そして優れた商品やサービスは顧客によって磨かれるここにしか本当の答えはない。

「目指すべきもの」が全員で共有できている会社は、きっと強い。

 

さらに、意思決定は大切な仕事のひとつ。検討時間が十分ではなくても、判断材料が揃っていなくても、ベストな決断ができなくても「今決めること」だ。マーケティング調査で得ることができる情報は、あくまで「現在」であり、「未来」ではない。

自分たちが競争する市場の大きな構造(冒頭のバリューチェーン)とポジショニングを俯瞰的にとらえ、その中で自社のコアコンピタンス(独自性)と現場(顧客のことを一番知っている)から上がってくる顧客ニーズを融合して、自分たちは何ができるのか/何をすべきか(=戦略)を決断することだ。

たとえば顧客の要望を満たせるソリューションがまだ世の中に存在しない時、「顧客ニーズが顕在化するのを待つな! その前に我々が考えるのだ」、つまり〝潜在ニーズを顕在化せよ!〟と。スターバックスが元気な理由は、消費者ニーズに合致させたからではなく、消費者ニーズを創り出したからだと言われている。まさにこの発想!

「正解を創り出す力」が求められている。

 

直面する課題に対して、〝正解を見つけること〟と、〝解決すること〟は別問題。分かっていてもできない、その理由は…、単に、

  • 課題を課題と気付かない(耳をふさぐ)
  • 解決する方法がわからない(考えない/考えられない)
  • やるのが面倒(人任せにする)

だけ。いずれも放置することに変わりはない。

あたりまえのことを、「知っている」ではなく、「できているか」「やり続けているか」という基準で行動したい。

ビジョナリーカンパニーの経営者に接し、あらためて感じ、そして肝に銘じたこと。

(ま)